地獄を見た証 2
( 娘よ、続きだよ。
あなたがわたしに願ったので、わたしはあなたを連れて 再び地獄へ下り、
あなたにその場所を見せよう。)
主よ、ヤコブ3:1には こうあります。
「多くの者が教師になってはいけません。
ご承知のように、私たち教師は、格別厳しいさばきを受けるのです」
彼らは何処へ行くのでしょう?
( わが子よ、あなたに見せることで、その疑問に答えよう。
人はあまりにも 世を楽しむものだ。
そして世の誘惑は わたしの働き人にも、強烈にやって来る。
それに飲まれてしまうなら、行き着く先は 滅びだ。
牧者でありながらも 召し通りに生きず わき道へそれ、自分の栄光ばかり求めた者たちも皆、滅ぼされる。
さぁ、おいで )
差しのべられた手を握って 再び歩き出しました。
地獄へ向かって……。
「ギャ――ッ」
全身、炎に包まれて燃えている人が叫びました。
そのそばで意地悪そうに笑うサタンは 額にも目が付いています。
私の近くで、苦しさのあまり転がり回る人は 炎を消す事も出来ず
「助けてくれ~っ」と私たちに向かって右手を差し出しました。
「あぁ……主よ…」
火だるまになって叫び、もがいている人たちは あちこちにいて、サタンは面白がって 燃え上がる体をさらに苦しめました。
「ごめんなさい……何もしてあげられないのよ……」
涙が溢れ出て、どうしようもなく流れます。
( さぁ、行くよ )
主は、とても悲しそうに私の手を引いて歩かれました。
ここは……何?
一人の女性が 裸で両腕を後ろ手に縛られ、高く吊るされています。
その周りにはサタンが群がっています。
女性の上にはオノの形をした鋭い刃物が 彼女を切り裂くために用意されてありました。
一匹のサタンが、その刃物を持ちあげ 女性を真っ二つに切り裂きながら降りて来ました。
「ううっ~気持ち悪い~~」
吐き気がして座り込んだ私に サタンが近づいて、細長い黒い手を差し出しました。
「さぁ、おまえにあの女の目玉を見せてやろう~」
イヤ~~~ッ!!!
主の御足にすがりついて わんわん泣きました。
イヤ~ッ!イヤ~ッ!主よ、もうイヤです~~~っ!!
体中が震えて動けない――もうイヤ、もうイヤ……
主は私を抱き上げ、連れて行かれました。
( わが子よ、あなたの疑問に今、答えよう )
言って私を降ろされました。
ここは…岩山…いいえ、その向こうに見えるもの…あれは??
剣にも似た太い針が びっしりと敷かれてあります。
一本一本は鋭い短剣のようです。
一人の男性が倒れていました。
体中に鋭い針が突き刺されています。
でも死んでいません。
目を開けたまま 何か言っていました。
そのまわりを見ると 人、人、人…。
皆、突き刺されてあります。
その無残な姿に 気が遠くなって倒れかけた時、主が支えてくれました。
( 見なさい。そして聞かなければならない。
ここにいるのが誰なのか。
見るならば、聞くならば あなたは知ることが出来よう )
主は弱った私に、力を与えられました。
目を上げると、針の上にうつぶせに倒れた体の上を サタンが歩いていました。
長い針は体を貫通し、全身を突き抜けました。
あぁ~~もう見ていられません。
主よ、聞くだけでもいいですか?
恐すぎて目を開けている事が出来ませんでした。
叫び声に混じって聞こえてくるのは サタンの罵声と笑い声です。
「 ひっひっひっ、バカ女め、また この地獄へやって来たのか。
いつかお前をこの地獄に突き落とし、いじめ抜くのが我らの望み。
しかし今は見ろ、ここに大勢いるクリスチャンどもを 」
えっ……クリスチャン??私の耳は その言葉に反応しました。
目を開けて、しがみついたまま主を見ました。
「 主よ、ここですか……?」
悲鳴と泣き声が聞こえます。
「 見るだけで震えあがるような この針地獄にクリスチャンたちがいるんですか??」
( 見なさい )
主は言われました。
男も女もいます。
針山の上をサタンに追われ 刺し抜かれた体の上を、踏みつけて逃げ回る人たちもいます。
沢山の人たちが倒れており、その上にさらに倒れて体中刺された人たち、
その上をまた更に踏みつけるので、ますます体に深く太い針は食いこんでいきます。
黒い体のサタンは 針山から一人の男性を引き剥がしました。
体中ひどい穴だらけになり、力なくブラ~ンとサタンの手に掴まれています。
その目は私を見ました。
生きている私を見て ひどく驚いた顔つきになり、叫び出しました。
「 ここへは来るな―っ!絶対来るな!!!来たらいかん!!!」
彼を掴んでいたサタンは、その人を針山に投げつけました。
針は再び全身を貫き、その上をサタンが激しく踏みつけました。
「 フンッ、バカ者めが 」
その人のもとへ走って行きたい、私の気持ちを 主はご存じで止められました。
( だめだよ、わが子よ )
「 主よ!沢山のうめき声、恨み声、つぶやき、泣き声、叫び声が聞こえます。
これほど細かく、刺し貫かれて 更にいじめ抜かれています。
主よ!この人たちが何をしたんでしょうか?
何故こんなにも苦しい目にあわなければならないでしょうか。
この苦しみから逃れる道がありません。
ここには何処にも出口がないです。
身を隠す所もないです 」
( 人はどんなに後悔しても、間にあわない時がある。
娘よ、主の働き人というのは特別の働きであるのだ。
一人のたましいを大切に思い、愛して世話をするように導かれたたましいを、
みことばによって生かし養うために 特別に召された者たちである。
彼らは人々を天国へ導く為に、わたしから使命を受けた者たちであるのだ。
【 ルカの福音書12:47-48 】
主人の心を知りながら、その思い通りに用意もせず、働きもしなかったしもべは、ひどくむち打たれます。
しかし、知らずにいたために、むち打たれるようなことをしたしもべは、打たれても、少しで済みます。すべて、多く与えられた者は多く求められ、多く任された者は多く要求されます。
【 マタイの福音書7:21-23 】
わたしに向かって、『主よ、主よ』と言う者がみな天の御国に入るのではなく、
天におられるわたしの父のみこころを行う者が入るのです。
その日には、大ぜいの者がわたしに言うでしょう。
『主よ、主よ。私たちはあなたの名によって預言をし、あなたの名によって悪霊を追い出し、あなたの名によって奇蹟をたくさん行ったではありませんか。』
しかし、その時、わたしは彼らにこう宣告します。
『 わたしはあなたがたを全然知らない。不法をなす者ども。わたしから離れて行け 』
わたしから受けた使命を忠実に果たし終えるなら、このような所へ来ることはない。
わたしは、わたしの働きを忠実に果たし終えた者たちには 天に報いを用意してある。
その労苦から解かれ、彼らは永遠に休むことが出来る。